まいど(*・ω・)ノ
ちと、私がストリーム配信している、ニコ生での生放送で、リスナーさんから、「耳で聞くのが苦手なのはどうしてか」とかいう話題があったので、その話題を今回の記事のネタにさせてもらいますです。
私が発達障害の診断を受けたときに、医師から受けたアドバイスのひとつに、「意思疎通は、会話ではなく文章で行うように」と、メールなどを活用するようにと指導を受けています。
日常会話であっても、相手の言葉を耳で正確にとらえるのが苦手なところがあるわけなのですが…

耳が悪い、わけじゃない
そもそも、会話というものは、口で発声し、耳で聞くものです。
その、耳で聞くことそのものが不得手なんです。
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でも、決して耳が悪いわけじゃない。
私の場合だと、左耳は、現在、耳鳴りに悩まされていて、ある一定の音域をとらえるのが苦手ではあるのですが、それでも、音は普通に聞こえます。右耳は異常なしです。
なので、音が聞こえたら、聞こえてることはもちろん解ります。
その上で、会話に関するやり取りを行うことが、そもそも健常者と比較して、とてつもなく苦手なんですね。
これには、さまざまな条件や要因が重なってくるんですけれど…

言われたことをすぐ忘れてしまう
症状として一番困っているのは、まさしくこれです。
発達障害者は、ワーキングメモリ(瞬間記憶)が、健常者のそれよりはるかに劣っています。
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これは、脳の「海馬」と呼ばれている部分に異常があるためとされているわけですが、このあたりの話については、いずれまたわかりやすく解説できるようにしてみます。この部分を明確に理解していただければ、発達障害者が苦手としている部分が見えてくると思います。
ともあれ、この脳の機能が著しく劣っているため、その場で行われている会話についても、次々に忘れてしまっていくんですね。
ひとつの例として、電話をしていて、その電話を切ったときに、今まで何をしゃべっていたのかわからなくなってしまったりします
こうしたことは、誰にでも一度は経験したことがあるとは思うのですが、その頻度がとてつもなく多いんですね。

言葉を誤解したり曲解したりしてしまう
そして、このワーキングメモリが原因による症状として、瞬間記憶の記憶違いも頻繁に発生します
相手が言っていることと、まったく関係のない回答をしてしまうことも多くあるのですが、それも、相手が何をしゃべっていたのかを、部分的に忘れてしまうから、と考えられます。
悦子と一緒に精神科医の診察を受けていたとき、医師の質問に対して、私はその質問を正確にとらえ、回答した、つもりでした。しかし悦子から、「しーちゃん気付いてる?全然関係ないことを言ってるよ」と言われたことがあったり…。
おそらく、そうした私の勘違い発言で、悦子もかなり苦労しているとは思うんですけれど…でも、私はそのとき、何をどう勘違いしているのか、全然わからないんです。

複数の話題についていけない
さらに、発達障害者は、ひとつのこと「だけ」しかできません。同時に複数のことを並列で行うことが苦手なのです
たとえば、会話中に、ひとつの話題で盛り上がっているときに、その話題とは全く関係の話題が突然振られてしまうと、それまで何を話していたのか、すっぽり消えてしまうんですね。
この症状は、会話だけでなく、実生活についても同じことが言えます。「これおねがい。…ついでにこれも」という感じでお願いされてしまうと、それがとても簡単なことであったとしても混乱してしまいます
ひとつの話題にまず集中させ、それをすべて終わらせてから、次の話題にうつるようにしなければ、それがどんな簡単な内容であったとしても、ワーキングメモリが劣っている発達障害者は、解らなくなってしまうんです。

周囲の音に疎外されて集中できない
たとえ1対1の会話であっても、周囲にさまざまな音が発生している場合、その会話に集中できない、あるいは音が混ざって聞こえてしまったりして、相手が何を言っているのかわからなくなります。それが、どのような些細な音であったとしても。
これは無意識のうちに、周囲の音を気にしてしまう傾向があるからで、決して耳が悪いわけではありません。

実は会議が苦手
さらに、これは特に自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)の場合になりますが…
一対複数の対話が、とてつもなく苦手です。
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これは悦子からも指摘されたことなのですが、家族での会話であったとしても、他の人がいろいろしゃべっていると、私はだまって聞いているだけになります。積極的に会話の輪の中に入ることができないんです。
要するに、1対1の会話のキャッチボールができているのであれば、ある一定の会話は可能です。ですが、どこからボールが飛んでくるかわからないような、複数での会話の場合は、やはり私はダメです
先日も、とあるワークショップに参加していましたが、どうやっても、うまく話すことができませんでした。
こうした、複数での会話の場は、さまざまな話題であふれています。それを頭の中でうまく整理することが非常に難しいんです。
講演会のような、一人で延々としゃべるだけの場であれば、なんとかなるのですが。

会話が苦手な発達障害者が取る対策は?

そこまで会話が苦手で、すぐに忘れてしまうのであれば、ならメモを取りながら話せばいいのでは、と思う方もいらっしゃるでしょう。
ですが、上記に書いたように、発達障害者は、複数の作業を同時に行うのが苦手です。話を聞きながらメモを取ることも、非常に難しいんです

会話が苦手な発達障害者が心がけることはあるの?
そんなこんなで、会話が、脳の機能障害のせいで苦手な私ですが…
では、どのようにすれば、うまく会話ができるか、どんな工夫ができるのかについて、私自身、いろいろとやってみたところ、対話の場面において、絶対にうまくいくような方法は、まだひとつも見つかっていません
唯一、わからなければ、もう一度言ってもらうようお願いするくらいでして…
私が落ち着くことができる雰囲気で、1対1での会話、そして相手が安心できると感じることができた場合は、会話そのものは、ある程度うまくいきます
もっとも、アスペルガー者の特性である、特徴的な言葉遣いがあるため、誤解されることも多々ありますが、そのあたりは、私の言葉は事務的にとらえて欲しいと事前に伝え、相手に理解してもらうようにしています。
そしてそれ以上に、なるべく文章でのやり取りを行うよう心掛けています。文章、特にメールやLINEであれば、送信する前に見直すこともできたりして確認しやすく、また情報を反復して読むことで理解がしやすいですね。
もっとも、中には、そうした文章でのやり取りを拒否されることもあります。やむを得ないのかもしれませんが…。

発達障害者に対して健常者に心がけてほしいこと
では、発達障害者に対して意思疎通をする際に、何を心がけてほしいか、ですが…。
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発達障害者側は、しっかりと自分の意思を伝えたいと考えています。そのために、一般的な手段での意思疎通ではなく、筆談や、メールなどでの、文章でのやり取りを希望することもあります。
その希望を尊重しさえいただければ、安心して会話を行うことができるのです。
ですので、口でしゃべったほうが楽だとか、面倒くさいとか思わず、正確に、かつ明確に意思疎通ができるよう、配慮をお願いします

余談。ニコ生での私の感覚は?
ところで。
ニコ生でストリーム配信をずっと続けている私ではありますが、そのさい、リスナーさんとの対話がスムーズにできている、と感じている方も多くいらっしゃるはずです。
その、ニコ生での私の感覚は、その対話の場においては、1対0です。つまり、一般的な会話の感覚とは違うんです。
その時の私の感覚は、送信されたデータに対して受け答えをしている、という表現でいいと思います。
それでも、ひとつの話題に集中しているときに、まったく関係のないコメントがきてしまうと、それまで話していたことが頭の中から吹っ飛んでしまうことは多々。
こうしたことを自覚したことも、精神的にはしんどいことではあるけれど…しょうがないんだよなあ…。