大人の発達障害と向き合う静葉ちゃんの試験室

静葉ちゃんが、適当にいろんなことを書いてますよ。

タグ: アスペルガー症候群

いい加減、発達障害関係の解説動画、製作再開しなきゃならんとか思いつつ、このところ勉強やら何かと忙しくて、ぜんぜん手がつかない常態なわけですが・・・。
今回は、「広汎性発達障害」と「自閉症スペクトラム」の、このふたつの言葉について、ちと、動画の原稿を作る案みたいな感じで書いてみます、はい。

まず、結論だけを書けば…

ってことで、この、「広汎性発達障害」と「自閉症スペクトラム」の、発達障害の症状についてのこのふたつの名称なんですけれど。
結論だけを先に言うと、このふたつは、「おなじもの」だという認識でいいと思います。 
もっとも、この表現は正確ではありません。が、一般的には、「おなじもの」だと考えていただいていいんじゃないかな、と。
では、なぜ、 「広汎性発達障害」と「自閉症スペクトラム」という、ふたつの用語が使われているのかというと、これが、なかなか面倒くさい話でして…

発達障害を診断するふたつの基準

まず、「広汎性発達障害」という名称についてですが、これは、WHO、つまり世界保健機構が定めている「国際疾病分類第10版」というのが関係しています。
これは、医学的に、さまざまな病気を分類している国際基準で、発達障害も、この基準のもとで分類されています。
この、分類では、発達障害の中でも、自閉症やアスペルガー症候群などなど、社会性やコミュニケーションをつかさどる脳の機能不全について、「広汎性発達障害」という、発達障害の3つの大きなカテゴリのうちのひとつを形成している、という感じです。
そしてもうひとつ、アメリカ精神医学会というところも、発達障害の分類を行っているわけですが、この分類については、WHOのそれとは少し違う考え方をしています。
と、いうのも、WHOの診断基準では、広汎性発達障害を、「自閉症」「アスペルガー症候群」「レット症候群」「小児期崩壊性障害」「特定不能の広汎性発達障害」という、主に5つの区分で分けているのですが、しかし「自閉症」と「アスペルガー症候群」についての線引きが非常に難しくあいまいであることや、また、それぞれの症状の強弱に個人差があり、厳密に細かく区分けしていくときりがなくなってしまいます。
ですので、細かく診断するよりも、大雑把にひとつにまとめたほうが分類しやすい、という考え方なのかどうかはわかりませんが、ともかく、「自閉症」や「アスペルガー症候群」という細かい分類を廃止し、「自閉症スペクトラム」という名称を使用、患者のそれぞれの症状にあわせて治療や改善を図る、という感じのようですね。
ちなみに、スペクトラムとは、連続体、って意味です。…もっとも、この表現だけだと、あまりよくわからないですよね。

風邪にたとえるとわかりやすいかも?
ってことで、このことをどのように説明すればわかりやすいかと考えていると、風邪に当てはめて考えるといいのかな? と思いまして。
ひとこくちに「風邪」と表現しても、いろいろありますよね。「発熱」「のどの痛み」「鼻水」「せき」「たん」などなど…
WHOの基準では、「風邪」という症状の中に、「発熱」「のどの痛み」「鼻水」「せき」「たん」などの症状を細かく分類し、それぞれの症状にあわせて治療を行っている、っていう風に考えていただくといいかと。
一方、そうした風邪の症状は、人によって違います。「発熱」といっても、微熱なのか高熱なのか違いますし、できが出ているかどうか、鼻水はでているかどうかなど、その症状のでかたには、人によって強弱があります。なので、そうした症状をいちいち区切って名称を使ってたらきりがないので、全部まとめて「風邪」という名称だけを使おう、ってのが、アメリカ精神医学会での考え方、って感じです。
もちろん、このたとえは、かなり乱暴なものでしょうけれど、ともかく、WHOとアメリカ精神医学会とでは、発達障害に対する区分の考え方が違う、という、ただそれだけのことなんですね。

実際の発達障害の判断基準は?

では、実際に、発達障害の診断は、どのようになっているのかというとですね、WHOとアメリカ精神医学会の、このふたつの判断基準を両方用いて診断している場合と、WHOの診断基準のみをもちいている場合の、二通りがあるようです。
要するに、アメリカ精神医学会の診断基準は、国際基準じゃないよ、ってことで、WHOの診断基準のみを用いて診断する医師もいる、らしい。そういう話を聞いたってだけの話ですよ。

では一般的な名称はどうなってるの?
厚生労働省では、基本的には、国際基準に習い、広汎性発達障害という名称を用いてはいます。
けれど、自閉症スペクトラムという名称も、厚生労働省の公式HPで解説されていたりもします。
また、WHOでの基準の中にも、自閉症スペクトラムという名称も登録されているらしく、そうした専門的な知識を持たない私からすると、何がどうなってるのかさっぱりわかりません。
ですが、そういうことも含め、「広汎性発達障害」と「自閉症スペクトラム」は、診断基準が違うってくらいで、結局のところ同じものだという認識でいいんじゃないかな、と思いますよ。

私は「アスペルガー症候群」と診断されているのですが、しかし同じアスペルガー症候群と診断された方々でも、その症状のでかたは、風邪のように違っているものです。要するに、症状の強弱があるんですね。
主治医も、「アスペルガー症候群という名称から、自閉症スペクトラムという名称に置き換えられつつある」、と言ってました。
んでも、なんというか…
「広汎性発達障害」という名称だろうと「自閉症スペクトラム」という名称だろうと、どっちの名称を使おうと、その障害を抱えている人の症状は同じ。なので、ただ名前が違うだけで、実のところ同じものだという認識でいいんじゃないかなあ
まあ、こんな感じで私はとらえている、ってだけの話なんですけどね。詳しいことは、それぞれ調べてみてほしいということでよろしくであります。



私と悦子が初めて出会った当初は、私が発達障害であることがまだ解っておらず、悦子は、私と付き合い続けることに戸惑いを持っていました。
そして私が発達障害者であると解ったとき、私は、自身が生まれながらの脳機能障害を負っていたこと、そして今まで受けてきた様々な抑圧がすべて発達障害を理由としていることが解り、約1年は、その葛藤に苦しめられていました。
現在でも、特にアスペルガー者としての私からして、定型発達者、つまり健常者の判断基準に「感情」が多大に影響を及ぼしていることに戸惑いがあり、なぜ素直に、論理的に物事を考える事ができないのかと、不思議に思っていたりもするわけですが…
それはともかく。
アスペルガー者の私と、定型発達者の悦子が、出会ってすでに2年と半年が経過しています。
もちろん、この期間にもいろんな事があったのですが、私は私なりに、そして悦子も悦子なりに、互いのことを理解しようと常に考えているからこそ、今もこうして一緒に過ごすことができています。
ですが、悦子からしても、アスペルガー者の私と良好な関係を築くのは、非常に難しいはずだと私は思うのですが…

悦子に渡した1冊の本
その、発達障害、特にアスペルガーに関して、私も、自分自身を理解するために、数多くの書籍を手に入れています。
よく、ネット社会なのだから、ネットで調べればわかるだろう、と言われるのですが、私から言わせると、ネットで流れている情報は、その大多数が、全く役に立ちません。むしろ誤解や偏見による内容、また、発達障害の様々な症状を入り交じり紹介しているものなど様々でして、これでは発達障害に関する誤解がさらに広がるのも仕方が無いと私は思います。
ですので、ネットを頼らず、書籍及び医師の意見、さらに、発達障害とは関係のない思考術などの書籍をも査読し、様々な要素を組み合わせて、自身の障害について理解を進めています。
そのため、発達障害に関する書籍も、現在でも少しずつ増えており、おそらく今後も、かなりの予算をつぎ込むことになると予想しています。頭が痛いけれど、必要なのだから、仕方がありません。
さて。
私が発達障害者だと判明したばかりのころ、様々な書籍を取り寄せていく中で、悦子に、この本を読んで欲しいと渡した書籍が、こちらです。



この書籍についてですが…アスペルガー症候群当事者である私は、この本を一切読んでいません
内容を一切査読せず、悦子に、ぜひに読んで欲しいと渡しました。
この本は、現在でも適当なタイミングで読み返しているそうなのですが、この書籍に書かれている内容は、まさしく、私の行動パターンに一致しているそうです
先日も、私のとある行動に対し、実際にこの書籍に書かれている通りのことを行っている、それがアスペルガーが理由だということも書籍に書かれている、ということを言っておりました。
繰り返しますが、この書籍は、私は一切手を付けていません。なぜならば、この書籍は、悦子にだけ内容を理解してもらえればそれでいいだろう、と考えたから。そしてその考え方は正しかったと私は考えています。
もっとも、中に何が書かれているのか、興味はあるのですが…
ですが、私のパートナーである悦子に、アスペルガー症候群を抱える私のことを理解して欲しいというのが一番にあり、この本の内容は、悦子だけが理解していてくれればそれでいいと私は考えています。

アスペルガーの女性をパートナーに持つ男性向けの本
ってことで、紹介させていただいた本は、これは定型発達者、つまり健常者の女性が、アスペルガー症候群の男性と付き合うために知っておくべき事柄をを書いている本のようです。
言い方を変えると、女性が、アスペルガー者と付き合う為のガイドブックみたいなものなのでしょう。
一方、アスペルガー症候群を発症している男女の比率について、男性の発症比率が非常に多いらしいのですが、アスペルガー症候群を抱えている女性も当然いらっしゃいます。
ですので、アスペルガー症候群の女性をパートナーとして選ぶ男性向けの書籍もあります。



こうした書籍を読み解くことで、アスペルガー症候群の女性への理解を進める手がかりにしてみてはいかがでしょうか。
むしろ、こうした書籍が必要なほど、アスペルガー者と付き合うのは困難がある、ということが言えるのでしょう。

私は読んだけれど、あまり参考にならなかったかも知れない本
上記2冊の本は、男性女性いずれかがアスペルガー症候群であった場合、健常者側がアスペルガー症候群のパートナーとどう接すればいいのか、その手がかりとするための内容だとお考えください。
一方、アスペルガー症候群の私が、とりあえず読んでは見たけれど、あまり参考にしていないという本が、




この書籍。こちらも、アスペルガー症候群と診断された頃に入手したものなのですが…
実のところ、この書籍、とりあえず読みはしましたけれど、それよりも悦子から直接色々教わったことのほうが多かったりします。
いい機会だし、久しぶりに読み返してみようかしら。

余談ではありますが…
なお。
こうした本を読んだからといって、関係がうまくいく、なんて保証は、もちろん一切ありません。
私と悦子が、現在でも付き合い続けられるのは、私も悦子も、お互いができる範囲で相手を理解する努力を続けているからに他ならないと思うんですよね。
一緒にいるときも、離れているときも、いろんな事を話したりしています。大切なこと、他愛のないこと、思い出、経験などなど…
時には、相手を傷つけかねないような考えが浮かんだりもしますが、それも正直に打ち明けたりもしています。こんなことを思ってしまったんだけれど、どう思う、って感じで。
以前、悦子は、「ここまで心を開いていろんな事を話す事ができた人はいなかった」と言っていましたが、それは私も同じ事。
こうして、様々な話を真剣に伝え合うことは、これはアスペルガー関係なく、良好な夫婦関係を続けていくためにも大切なことなのではと思いますよ。




Youtube版 → https://youtu.be/Y-tmNtoOGbc
ニコニコ動画版 →  http://www.nicovideo.jp/watch/sm29476074

ニコニコ動画の、動画のアップロードの仕様が、従来のファイルサイズ100MB制限から、1.5GBまで拡充されました。
そのため、今回は、Youtube版、ニコニコ動画版共に同一画質となっています。
ファイルサイズも、 215MBになっているため、ニコニコ動画アカウントに割り当てられているディスク容量の負担も、そんなにありませんし。それに、いちちニコニコ動画用にエンコードする必要もないもんね。
ちなみに、この動画は、原稿をまずデイケアで一気に作成し、帰宅してから棒読み音声を作成、そして動画編集ソフトで一気に編集する、という方法を取りました。
いやもう疲れた!
と、いうのも、例によって過集中に入ってしまいまして、帰宅して4時間延々編集作業ぶっ通しだったもん。気がついたら23時になっていて、もう寝なきゃ、って時間になっちゃいましたから。

参考資料・画像など
この動画を制作するに当たり、次の資料を使用しました。
書籍
「大人の発達障害」をうまく生きる、うまく活かす
田中康雄・笹森理恵共著 小学館新書
画像
透き通る海と風力発電 すしぱく氏の作品
図式
厚生労働省政策レポート 発達障害の理解のために
ちなみに、動画製作の為に参考にした書籍なんですけれど、その書籍の中の、たった2ページの内容だけしか参考にしてなかったりします。また、書籍は、ニコニコ静画でも販売されており、私が利用したのは、そのニコニコ静画版です

「大人の発達障害」をうまく生きる、うまく活かす (小学館新書)
田中 康雄 笹森 理絵
小学館
売り上げランキング: 109,140



 

 続きを読む

ってことで、今回も、発達障害に関する動画を作ってみたよって話ではあります。

YouTube版 → https://youtu.be/VjuB27lZVIA
ニコニコ動画版 → http://www.nicovideo.jp/watch/sm28733670

今回は、アスペルガー症候群特有の、コミュニケーション障害についての解説その第一弾って感じにしましたけれど、その第一回目は、「コミュニケーション障害として一般的にイメージする症状」を、あえてスルーしてみました。
そもそも、コミュニケーション障害についての言葉の定義を勘違いしている人が多いんじゃないかな、と思って。
動画でも触れているように、コミュニケーション障害とは、他者と円滑なコミュニケーションをとることができない障害の総称でして、これは精神あるいは思考に関する障害と、身体的な事情による障害の、2つの系統にわけることができます。
その具体的なリストアップについては、今はあえて避けているんだけれど、いずれ、そういう解説動画も作ってみていいのかなあ。
で。
こうした障害の解説を行うにあたっては、資料にかかれていることだけでなく、自分の実体験と、他者の思考パターンとの対比など、個人的な検証も行っています。
今後、私の実体験を元とした動画の製作が増えてくることも予想されていますけれど、こちらも、ちゃんと資料に書かれていることを根拠に動画を作っていくつもりです。
また、資料にはそのように書かれていなくとも、そういう表現をしたほうが解りやすいのではないか、という感じで、私なりの表現を使っての解説も今後増えていきます。
得にアスペルガー症候群の症状を、健常者に理解してもらうためにも、そうしたたとえを多用するべきだと考えています。が、一方で、その例え話で使うそのもののたとえが、場合によっては、専門知識がなければ解らない場合も出てくるはずですから、それでうまくいくかどうか。
ま、自分なりに、色々とやってみますです、はい。

発達障害がある人のための みるみる会話力がつくノート (こころライブラリー)
柳下 記子 野波 ツナ
講談社
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とまあ、タイトル通りの話題を、ちと書いてみます。
アスペルガー症候群当事者の私の経験談もそうですが、


こうした書籍などの様々な資料も含め、なるべく簡潔に書いてみます。

発達障害は、身体障害と実は同じ
発達障害(自閉症)は、生まれながらの脳機能障害です
思考や人体の動きを司る為の脳のなかで、その特定の部位が未発達あるいは存在しない、要するに、生まれながらの脳の奇形が、発達障害の原因です。
つまりは、生まれながら盲目あるいは難聴などといった、身体障害と同じように、脳の状態に異常がある、ということが言えます
しかし、見た目は健常者と同じであるため、健常者側からすると、なぜこのような簡単なことができないのか、と疑問に思われたりするはずです。ですが、そもそも、それを行う為の脳機能に異常があるため、それに気づかなかったり出来なかったりするんです。
さらに、それが脳機能が原因であるにも関わらず、本人の努力不足である、と、健常者だけでなく、発達障害者もそのように考えてしまいます。
こちらを身体障害者に例えるならば、足が動かない人に、歩けと言っているようなものだとお考えいただければいいかと。
そして、足が動かない人の為に、車いすというものがあります。この車いすを使用すれば、平坦な場所であれば移動することはできますが、しかし健常者と同じように歩くことはできません。歩けない為の代替案として有効ではあるのですが、しかし限界があります。
この、車いすのたとえを出しましたが、発達障害も同じく、車いすという物理的な助けの代わりに、理論的な助けが必要となるわけです。
ですが、その、理論的な助けというのが、実際にどのようなものなのかというのは、これがかなり難しい話だったりします。
この、脳機能障害については、コンピュータに例えると解りやすいのですが、コンピュータに詳しくない方には、そのたとえは解りにくいでしょうから、割愛。ですが、コンピュータ並に融通がきかない、と考えると解りやすいのかも知れませんね。

アスペルガー症候群は、コミュニケーション能力障害
さて、アスペルガー症候群は、大雑把に言うと、コミュニケーション能力を司る脳機能に障害があると言えます。
個人的に、アスペルガー症候群は、「高度な知能や知識を持つ保育園児」みたいな感じがします。自分で言うのも変ではありますが。
つまり、幼子のように、とんでもなく素直で純真だったりします。
そして、この純真さが、トラブルになる原因となります。
なぜなら、私達アスペルガー者は、本音と建前の区別がなく、すべて本音だけで接するからです

表情や態度は気にしないこと

気にしないこと、というのは、ちと極端ではありあすが…
アスペルガー者は、表情が乏しく、無表情あるいは、無関心といった態度に見えることが多々あります
これもコミュニケーション能力障害の一環でして、喜怒哀楽といった感覚が心の中にあったとしても、無表情で無感情になっていることが多々あったりするわけです。嬉しくても無表情、なんてことも、ごくごく当たり前だったりします。
なので、表情がなく、何を考えているのかよくわからない、なんてことも多くあるでしょう。
そのため、アスペルガー者とは、事務的な感じで付き合うと、案外うまくいったりします。
ただし、落ち込んでいるときに関しては、そういう態度を示すこともあるのですが、じっと耐えているだけの事もありますので、このあたりの接し方が、健常者からすると難しいと思われますが、細かく聞いてくれると、当事者からすると助かります。

アスペルガー者には、本音だけで向き合って欲しい
日本語には、本音と建前だけでなく、社交辞令など、様々な言い周りがありますが、私達は、物事は、すべてそのままストレートに受け止めます。つまり、表裏がなく、すべて表だけ、なのです。
なので、アスペルガー者に対しては、本音のみで付き合うのが一番だと考えてもらうといいでしょうか
ある程度の状態などは、もちろん理解することはできますけれど、でも状態によります。
そして、アスペルガー者の言動は、すべて表のみで裏がない。言葉の内容は、すべてストレートに捉えていただき、裏がないため、何かあるのではと勘ぐる必要はありません。もっとも、健常者からすると、言葉に何か裏があると勘ぐってしまうようですが、他意が全くないので、そのまま素直に受け取ればいいわけです。

何かを伝えるときは、ともかく細かく!
アスペルガー者に対して、「言わなくても解るだろう」というのは御法度です。なぜならば、言わなければ解らないから
要するに、「察しろ」とかいうのが無理なわけです。
なので、何をどうすればいいのか、事細かく伝えるほうがいい、というわけですね。
もし、アスペルガー者が「解らない」と伝えてきたならば、なるべく紙か何かに書いて、細かく解りやすく少しずつ説明するといいでしょう。

色々と細かく言うのは、理解して欲しい為
そして、アスペルガー者が、健常者に対して、色々と細かく伝えようとしているのは、相手に、明確に、かつ正確に物事を伝えようとするから。そんなことまで言わなくても解るよ、なんて事まで、アスペルガー者は伝えようとします。
つまり、物事を伝える時に、間違いなく、確実に相手に意志を伝える為なんですね。そして、私達は、必死になって相手に意志を伝えようとしていることも理解してください。
なお、個人的な話ではありますが、私は常に標準語を使って会話をしています。実はこれもアスペルガー者の特徴のようでして、振り返ってみると、私の話を相手に正確に伝えるために、若い頃に、独学ではありますが訓練していました。後にアスペルガーと診断され、なぜ私が阿波弁ではなく標準語を話しているのか、それがアスペルガー症候群だからという理由で説明がつくことが解り、愕然としたことがあります。

会話が実はかなり苦手
と、まあ、こんな感じで、アスペルガー者は、そもそも会話や対話が苦手だったりしますが、他にもあります。
なんと、耳から入ってくる情報を掴むことが難しく、たとえ聞いていたとしても、すぐに忘れてしまう傾向があるんですね。
これは、脳機能のワーキングメモリ、つまり一時記憶を司る脳の部分が、健常者に比べて劣っているからだそうで、どんな些細な事でも一瞬で忘れてしまったりしてしまうんです
また、会話では、言葉の抑揚などで感情表現をしますが、アスペルガー者は、上記で記した事もあり、そうした感情表現も苦手なところがあります。

1対複数の会話なら、もっと苦手
そして、1対1での会話なら、ある程度なんとかなりますけれど、これが1対複数でのやり取りになると、アスペルガー者は、その会話の輪の中に入っていくことができなくなる傾向があります。発言する機会を失ってしまうんですね。
なので、重要な会議などは、発言の機会を与えたりするような感じで工夫してもらえるといいかと。
なお、宴会などもかなり苦手です。雰囲気に飲まれて何もできなくなってしまいます。

環境に得手不得手がある
アスペルガー者は、様々な感覚が鈍感だったり、あるいは敏感だったりします。
たとえば私の場合、痛みに対する耐性が健常者のそれよりも強く、それは辛い食べ物が好きだということにも繋がっていたりします。また、手の感覚もそうですし、音に対しても敏感だったりして、騒音が苦手だったりもするんです。
そうした、その本人が苦手な環境にいること自体、精神的にも苦痛となりますが、そのために、例えばイヤホンで音楽を聴いていたりして、気を紛らわせることもあったりします。
そうした感覚の過敏さについても、ある程度理解してもらうといいかな、と。

では、実際に、やり取りを行う際には、どのような事に配慮すればいいかと言うと…

会話よりも文章でのやり取りを
耳で聴かなければならない会話というのが苦手なのは、前述した通りです。
そのため、会話の内容も、重要な点については、箇条書きでも何でもいいので、文書化して渡したほうが無難です。
また、普段のコミュニケーションも、メールやLINE等といった、文章でのやり取りのほうが、かえってスムーズに行う事ができます。

物忘れがひどいので、確認を…
また、ワーキングメモリがほとんどないため、重要な用件であっても、すぐ忘れます
会話の内容も、話をした次の瞬間にすべて忘れてしまうくらい、物忘れがひどいんですね。さっきまで何の話だったんだっけ、って感じで。途中で、話していた話題と違う話題をいきなり振られてしまうと、今まで話していた内容が全部吹っ飛んでしまうこともあります。
もし何らかの予定を組んでいるのなら、時間前に確認の連絡を頻繁に取るなどしていただければ、ありがたいですね。ちなみに、私の場合、なるべく、タブレットPCにリマインダをつけてはいるものの、それでも忘れてしまうこともあったりします。

重要な事柄は、かならず文書でまとめる
物事の用件や会議の内容などについては、その後に、どのような話をされていたのかを、箇条書きで構わないので文書化して渡すと、間違いが減ります
会話中にメモを取ればいい、とお考えになるでしょうが、「会話中」に「メモを取る」という、2つ以上の動作を同時に行う事がそもそもできません。ひとつの物事だけしか同時にできないわけですね。なので、会話のメモを取ること自体、苦手だったりします。
なので、どんな内容だったのかを、文書にしてあとで渡してもらうと、しっかりと理解することができます。

実際には、この限りではなく、他にも色々な要素があるのですが、ともあれ、健常者と同じように付き合うことは、絶対に求めないでください。アスペルガー者も、健常者に近づくよう努力はしてはいるものの、もともとの脳機能障害の為、どうしてもうまくいかず、それでさらに悩むことになります。

そもそも脳構造の違いから、考える手順も違うため、そこでどうしてもすれ違いが発生したりします。圧倒的大多数の健常者社会の中で、圧倒的少数の発達障害者は生きていかねばならず、そのすれ違いにより、様々なトラブルが実際に起こっています。
国や自治体も対策を急いではいるものの、まだ発達障害そのものがまだ未知の障害であることから、何をどのようにすればいいのか解っていないことが多かったりするわけです。
見た目で障害者だと解るのであれば、その相手にあわせたフォローも容易に行えますし、また、何がどのように困っているのか、すぐ解るでしょう。
しかし、脳機能障害という、目に見ることができない障害であることから、様々な誤解を生んでいます。
ですが、障害者イコール、健常者に比べてフォローが多く必要であることもまた事実でして、これがさらに健常者と、そしてアスペルガー者を含めた発達障害者を悩ませていたりします。
上記で書いたことは、なるべく簡単に書いているため、重要な要素が書き切れていないように思っているのですが、ともあれ、何かの参考になれば幸いです

まだ色々書き足りないこともありますが、この記事では、ここまでにします。

 

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